15年ぶりにシー行った

4月某日、午前3時ごろ

家族LINEにて起床点呼を行う。

「起床です、今からシャワー浴びます」

普段ならこんな時間にLINEのやり取りをするはず無いのだが、今日は特別な日なのだ。
なんと何年振りか、“家族ディズニー”なるものを決行する日である。しかもシー。

事の発端は弟だ。最近になって久しぶりに友人と行ったディズニーリゾートに激感動・激ハマりしたらしく「是非ともみんなを連れていきたい!」と計画してくれた。ちょうど春期は家族内でも誕生日が近い人が多く、年に一度の家族会が開かれる時期でもある。この機に合わせ、今月は弟のモチベに牽引けんいんされる形でシーへ行く事となった。

メンバーは両親・俺・弟の4人。自分を含め、弟以外の3人は久しぶりのディズニーということで「楽しいディズニーだ~」の気持ちが薄く──────というより記憶にない為ほとんど実感がわかず、訳も分からず早朝からただただ外出の準備をして集合した。

午前4時過ぎ、弟の運転により我が家の前でピックしてもらい出発。車内では既にディズニーの曲がしっとりと流れていた。

シーへ向かう途中の車内でも、この期に及んでまだ「行く実感わかないや」という会話を3人でしていた。運転中の弟も「マジで実感ない」と言っていた。ディズニー曲プレイリストを流してるお前は嘘だと思うな。

午前5時ごろ、目的地に到着した。気合を入れすぎたか、ほぼ最前の待機列に並ぶことに。

すぐそばにタワーオブテラー(以下:タワテラ)がそびえ立っており、ここでやっとディズニーマジックにかかってきた。気のたかぶりを感じる。

そういえば最後にシーに来たときはいつだったか。記憶の糸を辿ってもハッキリとした時期が思い出せない。ランドには留学から帰ってきた後に行った筈なのでまだ思い出せる。それでも6年前ではあるが。


子どもの頃、家族でシーには行ったことがあるのでそれ以降行っていないとすればなんと約15年ぶりということになる。

しかし、そんなはずは……先ほど記憶がほとんどない、とは言ったものの───15年

それにしては覚えていすぎている。タワテラに出てくる呪いの偶像の名はシリキ・ウトゥンドゥだし、センターオブジアース(以下:センター)のスポンサーは第一生命だということまでなぜかハッキリと覚えている。

それ程までに15年前のダイスケ少年の脳にしっかり刻まれるほど強烈な思い出を生み出したというのかディズニーシー。恐るべし夢の国だ。

他の可能性としては、暇なときにVRを装着してバーチャルワールドのアトラクションに乗ったりしているうちに、思い出と記憶の境界が混ざりあってしまっていた、というのが考えられるがそれは情けない上に早朝からシーにまで来て最初の発見が己の自室の君ロア・ディ・テションプさを認めるという憂鬱展開である為考えないようにする。

待機中は家族で記憶にあるアトラクションと、何が好きだったかの雑談になった。

俺はというと以前から好きな順に【①タワテラ②インディージョーンズ(以下:インディー)③センター】という、いかにも15年前の少年が大喜びしそうなラインナップであるのだが、弟によると「ファンタジースプリングス」という新エリアがおススメらしく「今回のシーでそのランキング変わるかもね」とのことだった。そんな弟の個人的好きなアトラクションは【①アナ雪②タワテラ③センター】。1位のアナ雪に関しては先ほどの新エリアのアトラクションで、原作好きにはたまらないクオリティらしい。楽しみである。

そうこう時間を潰している内に開園時間が近づいてきた。辺りはすっかり日が出ており、ふと背後に目をやると冗談みたいな人の群れが視界を埋め尽くしているではないか。この1振り向きで普段の生活で換算しても2週間分の人間を目撃した。

ヒト酔いしそうだったので空を見上げる。澄んだ空に鳥が隊列を組んでひとごみを見下ろし優雅に旋回していた。

弟もその大混雑を見て俺らに今日の行動計画をつまびらかに共有してくれる。

「いいかい。実は今日は結構立ち回りが重要になることが予想されるんだ。理由は3つ。①つい先日、4月1日から新エリアへの自由入場に加えアトラクション利用が解禁されたこと②地域や学年によってはまだ春休み期間中であること③そして今日は4月で最初の“快晴”の日なんだ」

弟の説明に父は
「つまり───晴れの日の新エリア解禁を春休み最後の思い出作りに訪れる若者客が多く、今日はとんでもなく混雑すると」
そう結論付けた。

「でも、今日は目立ったイベントを開催していない期間中ではあるんだ。開催中のものと言えばタワテラの強化版“LEVEL13”くらいだったはずだよ……まぁディズニーで混んでない時なんか無いに等しいんだけどね」

なるほど、開催イベントによっても客の出入りを考慮することもあるのか。

たしかに最近の混雑具合には度肝を抜かれる程らしく、知り合いがディズニーへ行った時の話を聞いても「アトラクションにほとんど乗れなかった」というのはよく聞く。関西の友達が初ディズニーで“タートルトーク”しか入れず残り時間は景観を楽しみながら散歩していたという話も聞かされた。関西から世にも珍しい喋る亀をはるばる見学しに来たことになる。もっとも当の本人はそれでも大満足だったらしいが。

「そこで、今回はせっかくの家族会だしフル課金での立ち回りを考えてきたんだ。これがうまくいけば、とりあえずメインのアトラクションはすべて乗れる……つまり」

弟はスマホで園内のマップをみてからルートを思い浮かべ呟く。

「──────全クリだ」

開園時間。

弟の指示通り、入場してから4人で早速新エリア方面へと向かう。その間に手元のアプリで「インディー」の“プライオリティパス”を入手する。これは旧ファストパスシステムで、無料で時間指定の優先チケットを確保できるという事らしい。無事10時過ぎの時間で確保ができた頃、突如として目の前に長蛇の列が出現する。開園まもなく何なのだこれは。

“ソアリン”だよ。15年前には無かったっしょ」

弟が教えてくれる。新アトラクションの中でも最強格の人気を誇るらしく、いつでも満員らしい。

「できれば夕方~夜あたりに取りたいけど……」

この人数を見て少し自信を無くしているようだった。無理もない。すでに建物からはみ出し道にまで人が立っている。

弟は“ディズニー・プレミアムアクセス”(以下:DPA)による課金でアナ雪を確保できたらしい。しかも一番早い時間だ。幸先良い。

うちら家族は全員歩行速度が速い───というより1歩がでかい───という性質を持っている為、新エリアまでの道のりは順調に進んで行けた。

一番遠くの新エリアまでダッシュをしてスタッフに「走らないでくださぁーい♪」と笑顔で止められてる人がめちゃくちゃ多かった。今の時代、公共の場で大衆から反感を買うとすぐSNSに晒されそうなので慎重に行動する。

やがて園内の奥に幻想的な木々に覆われた洞窟が見えてきた。どうやらこれが新エリア「ファンタジースプリングス」への入り口らしい。

初めてみるオブジェの前でとりあえず4人、記念写真をパシャリ。

さて、ここからは無料優先チケット“プライオリティパス”と課金チケット“DPA”を駆使したアトラクション巡りがいよいよ始まる。

詳しい仕組みは忘れてしまったが、これらのチケットは使用or取得してから1時間経過しなければ新たに申し込むことができない、みたいな感じだった。なのでチケットが取れてからは全て弟が次の申し込みができる時間のアラームを設定をしたり、園内を右往左往しないよう導線を考慮した予約を行い、ある程度巡る順番までしっかり計画してくれた。

なるほど、これはディズニー慣れしている人がいないと隅から隅まで楽しむのは難しそうだ。
雲ひとつない空と背景の滝が映える。記念写真の映りもいい。

期待と不安に胸を膨らませ、俺たちは未知のエリアへと続く洞窟に足を踏み入れた。

結論から言おう。今回の家族ディズニ―は、完全攻略に成功した

もちろん存在するすべてのアトラクションを巡って踏破した訳ではないが、全員が「行ってみたい」と候補にいれたアトラクション・スポットはひとつとして取りこぼすことなく楽しむことができた

その日全ての感想を書いていてはとんでもない量のエッセイになってしまう為、これより先はアトラクション毎の感想を簡潔にピックして記すことにする。そして最後に1日を振り返った後に先述の個人的アトラクションランキングがどう変化したのかまで書こうと思う。

基本的に1日の流れに沿って書いているので最初のアトラクションは新エリアから始まる。

ではどうぞ。

①【ピーターパンのネバーランドアドベンチャー】

一番最初に乗ったアトラクション。弟の計画でも最初はここと決めていた。

なんと到着時、9時ごろの待機時間は<10分待ち>だった。弟曰く「これプレショーあるから実質0分待ちだね」とのことで本当にノンストップで案内された。

3Dメガネ装着型のライドで、船みたいなのに乗って川を下っていくアトラクションなのだが……途中マジで飛ぶのだ

メガネかけて映像を見ながら水の上を走る、いわゆる鑑賞系アトラクションかと思いきや、突如妖精ティンカーベルが謎の光の粉を俺らに向かって振りまくと乗り物ごと謎の浮遊感に包まれ、文字通り完全に空を飛び始める

入園直後初っ端のアトラクションとしては大正解だったようで、初見の3人はここでブチ上がり。テ、テクノロジィ~~~!

川下りから始まり滝つぼへのダイブ、海賊との戦闘、ロンドンの夜空飛行、そしてネバーランドへの帰還。すっげえ満足した。アトラクションの最後にピーターパンから「いつまでも、子どものままでいてね!」みたいなことを言われて終了。ここで全員、早くもディズニー・マジックにかかる。これも“ティンカーベルの粉”(以下:ティン粉)のおかげか、純粋に楽しむモードに移行。15年の進化はすごい……。

終わった後早速トイレ休憩をはさんだ。なぜなら全員が興奮でちびりそうだったからだ。

②【アナとエルサのフローズンジャーニー】

9時56分にDPAにより入場。<10分待ち>

ライド型鑑賞アトラクション。水上を進んでキャラクターのロボットを見るのが「カリブの海賊」に似ているがこちらは超ハイクオリティなプロジェクションマッピングを駆使しており何つーか、スッゲかった

一世を風靡した「アナ雪」の神曲たちを大音響で聴きながら映画のシーンを追体験していくのだが、これが本当に「映画の中に入った」と錯覚するほどで……夢の国であんまこんなこと言いたかないけど(テ、テクノロジ~~~!)ってなった。

人形の動きが精巧すぎて、完全にアナとエルサ本人に会えた気分だった。あと水上ライドにもかかわらず船が平行移動したり、背中側から落ちたりと、予想外の動きをするのも結構面白かった。

その後はファンタジースプリングス内を散策し写真をいっぱい撮った。フォトスポットが多すぎる。嬉しい悲鳴だ。

あと、これは間違いないと思うんだけど、ファンタジースプリングス内の水、異様に美味くないか?

公園みたいに蛇口の水飲みスポットがあるのだが、なんか美味しすぎておかわりしまくってしまった。そのことを父親に告げると、父も「うまい、うまい」とがぶ飲みしていた。みんなも是非機会があれば飲んでみてほしいが、デート中に蛇口の無料水を浴びるように飲むのも蛙化現象直行ルートなので、家族や友達と行ったときにした方がいい。

③【インディ・ジョーンズ・アドベンチャー:クリスタルスカルの魔宮】

10時30分ごろ、プライオリティパスにより入場。<10分待ち>

さあ、みんな大好きインディーの時間だ。正直15年前から、アトラクションの完成度に関してはトップレベルだと思っている。めちゃめちゃ荒い運転で古代遺跡の中を駆け回るというだけでも絶対好きなのに、激しい雷、巨大なヘビ、空気砲、吹き矢エフェクト、お馴染みの「テーテレッテ~♪」のテーマソング、そして大玉衝突フィニッシュ。全部乗せアトラクションってやつだ。今回は“フル課金”と宣言した通り、思い出に記念写真の印刷までした。遺跡観光記念写真。

④【ワールプール】

13時ごろ、通常待機列にて入場<30分待ち>

インディーの後はお昼休憩にした。園内を散歩したり、買い食いをしたり、写真を撮ったり、レストランに入ったりした。もちろんその間もDPAやプライオリティパスの予約を忘れずに行い時間調整をしている。

いろいろなエリアを回ったが、なかでも“マーメイドラグーン”は子どもの頃大好きだった記憶があり、みんなで久しぶりにキング・トリトン・キャッスルへ赴くことに。その際「何かは乗っておこう」と乗ったのがこの“ワールプール”だ。簡単に言えばくるくる回るティーカップ系のアレだ。コンセプトは海草と渦潮らしいが。先の3つを全て10分で入場したせいか、目の前に入り口が見えるほどの小規模のアトラクションでの30分待機はとてつもなく長く感じられた。しかし収穫はあった。待機列に何と、カンデミーナのゴミが落ちていたのだ。

恐らくこれは地上の人間が海にポイ捨てしたことにより渦潮に吞まれ流れ着いてしまったゴミなのだ。ディズニーは夢の国であると同時に、こういった自然破壊行為に対して社会への警鐘を鳴らしているのだ。搭乗までの長い待機時間、俺はそのカンデミーナの袋の事ばかり考えていた。くるくる回るカップで笑顔を浮かべる客の足元にはじわじわと汚染される環境の影が色を濃くしている。その傲慢な地上の人類はいずれ海の怒りを買うことになるだろう。そう思った途端、城内を優雅に泳ぐ魚類たちがいずれ襲い掛かる災いの種に見えてくるではないか。少し奥に目をやれば何も知らぬ人間どもが海の底でウキウキショッピングをしている。
────そこが巨大なクジラの口内であるとも気が付かずに。

⑤【シンドバッド・ストーリーブック・ヴォヤッジ】

13時50分ごろ、通常待機列にて入場 <5分待ち>

休憩もかねてゆったりできるアトラクションへ。父はちょっと寝てた。なんか昔と変わった…?シンドバッドが巨人と戦ってた記憶と、猿のゾーンはバナナの香りがした記憶があったが、単なる記憶違いか、演出が変わったのかもしれない。

⑥【マジックランプシアター】

14時18分に通常待機列にて入場 <30分待ち>

こちらもゆっくり座れそうだったのでシンドバッドから直接向かった。今度は母が寝てた。これも15年ぶりだったが結構しっかり覚えていた。役者の人ホント凄いなぁって思う。

⑦【レイジングスピリッツ】

15時30分ごろ、プライオリティパスにより入場 <10分待ち>

名物、360°回転コースター。こちらは珍しく母親が通り掛けに「乗りたい!」とリクエストを出してパスを取った。俺や弟は絶叫マシン大好物ブラザーズなので全然「物足りなさ」を感じてしまい乗らなくてもいいかなというスタンスだったのだが、いざ乗ってみるとそこそこ気持ちよかった。一番先頭の座席だった。

やはり、ただでさえ狭いエリアのローラーコースターであるにもかかわらずガッチリと肩から降ろす安全レバーとブレーキを効かせた走行に歯ごたえのなさを感じた。しかし当の母はものすごく高い評価をつけていた。「あのコンパクトなサイズ感とお手軽な爽快感がとても気に入った」との事だったが、プライオリティパスを使ったから待ち時間を抑えて乗れたことを忘れてはいけない。例えば100分待ちでこの「お手軽感」を味わいたいかと言われると、他を優先してしまいそうではある。母はなんと「今んとこ一番満足した」と言っていた。嘘ぉ~?

そういえば、列に並ぶ前に「お兄さん方ちょっといいですか」と弟と共にスタッフの人に呼ばれて身長を測られた。なんでも狭い場所を走行するため195cm以上の人は乗れないらしい。俺らは10cm以上は余裕があるので平気だったが、父はすかさず「んじゃ大谷翔平は乗れないのか」と質問しておりスタッフの人も「はい!乗れません♪」と笑顔で答えていた。

⑧【センター・オブ・ジ・アース】

16時50分ごろ、DPAにて入場 <10分待ち>

「俺インディーよりセンター派なんだよね」「俺も~」と、センターへ向かう途中父と弟が会話をしていた。俺はどちらかというと頭からケツまでサビなインディーの方が好きだったので「え~マジ?最初の方ただの博物館ライドじゃん」みたいに会話をしていたが母親はピンと来ておらず「センターってどんなんだっけ」と聞き返していた。ちょうど火山から車が急降下する場面が見えたので「あれあれ、火山落ちるやつ」みたいな説明をしたが全然思い出せないらしく、「まぁでも2人がインディーより好きっていうんなら期待」とウキウキで向かった。

待機列途中の例のエレベーターでは何となく「あ~あったかも、うるさっ」ってなってたので乗ったことはあるっぽかった。そしてそのまま半初見状態でアトラクション乗車。このアトラクションは最初の方こそ何も起きない、シンプルな地底探検ツアーだが途中から様子がおかしくなる。『火山活動開始!火山活動開始!』の警告音と共にルートを外れて火竜のバケモノの巣へ近づきそのまま急加速、急上昇、急降下をするというおそらくディズニーリゾート内最速の絶叫コースターへと姿を変える。最後の急降下が終わった後、母の方を見ると「まさか落ちるとは思わなかった!これ絶叫系?笑」などと言っており、全然人の話を聞いてないし見てもないんだなと思った。

⑨【タワー・オブ・テラ―】

17時20分ごろ、DPAにて入場 <10分待ち>

真打登場!ずっと乗りたかったぜ!先にも述べたが15年前の記憶上ではトップで好きなアトラクションだった。さあ、大人になった今の感覚ではどうだ?

今回もDPAでの予約済みなので10分待ちコースでホテル・ハイタワーへ入場。待機列の雰囲気もめちゃめちゃ好きなので並んでる時からゾクゾクが止まらねぇぜ。そういえば、現在は“LEVEL13”という、通常版より落ちる回数が増えた強化版イベントが開催中であるという。もちろん前回はそんなものはやっていなかったハズなのでさらに期待しながら乗った。父は今までに乗った記憶がないらしく、もしかしたら初挑戦かもとのことだった。その歳でタワテラ行けますのん?そんなこんなでハイタワー3世の会見を聞いて、いよいよスタート。

……やはり群抜きで面白かった。なんなら前回の記憶を越えて恐怖度が上がっていたようにも思った。これが“LEVEL13”の違いか。特に最初の急上昇から急降下が止まることなくスムーズに行われたため、ピーターパンのレベルをはるかに超える本物の浮遊感に襲われてめちゃくちゃ怖かった。乗り終わった後も家族全員で大絶賛し、「もっかい乗りて~」と4人が口を揃えて言っていた。あとガチ浮遊記念にインディーと同じく写真を購入した。落ちる瞬間の写真なのだが、父がバッチリ両手でサムズアップ決めててナイスショットだった。コイツ……やはり過去に乗っていたか?と思って聞いてみると「とりあえず落ちそうなところで全部ポーズ決めただけ」らしい。パワープレイなだけかい。(凄)

⑩【トイ・ストーリー・マニア!】

18時ごろ、DPAにより入場 <10分待ち>

こちらも大人気アトラクションで弟自身も今回初めて乗るアトラクションだという。家族全員が完全初見で、情報も全く持ってないため、開けるまで何が起こるかわからない完全なパンドラの箱状態。まあ実際はおもちゃ箱なんですケド←w!

待機列の途中で3Dメガネを取る場所があり、全員で「え?なにが行われるんです?」となっていたがまさかのシューティングゲームだった。しかも得点表示版まである。「どうせならガチで」と4人で本気の的当てをプレイ。椅子は動くライド型だが的当てタイムは全て停止中に行われるので比較的親切設計だった。しかし銃の扱いがちょっとテクニカルすぎる。銃というか大砲で、紐を手前に引っ張ることで発砲されるという変な装置だった。扱いに困る。結果は弟の勝利。19万点くらいで、次に俺の16万点。父が12万、母が10万と結果が出てから4人で「お~意外と同じランク帯じゃ~ん!」「いやいやおれの19万は結構すごくね!」とワイワイしていたら最後に『本日のベストスコア!』と33万点の成績を画面にでかでかと映し出されて全員真顔になった。皆してはしゃいじゃって、なんて馬鹿。

⑪【ソアリン:ファンタスティックフライト】

18時半ごろ、DPAにより入場<25分待ち>

「実はみんなにこれに乗ってもらいたかった」と弟が最後のアトラクションに用意したのは、入園直後最初に目にしたあの長蛇の列の正体である“ソアリン”だった。実際俺も「とんでもなく人気である」「どうやら空を飛ぶらしい」くらいしか情報を持っておらず、トイストーリーマニアと同じく謎に包まれているアトラクションだった。待機列のオブジェや壁画には、人類がこれまで「飛行」を研究し歩んできたその歴史が刻まれており、それらの進歩と希望を振り返ることが出来るような造りになっていた。神秘さとちょっとズレたヘンテコな感じとが合わさって凄い独特な空間だった。

最初の部屋で見せられるプレショーではカメリア・ファルコという女性が魔法としか思えないテクノロジーで絵のまま語りかけてくる。ここにまずスゲーびっくりした。そんで明らかな外国人が超絶流暢な日本語で話してくることに更にびっくりした。いや、なんというか、口の動きが完全に日本語の動きすぎて、そこばっか見てしまうのだ。なんて言えばいいのか、明らかに吹き替えじゃない口の動きで明らかに日本人じゃない人が滑らかに話すもんだから、でもこの人は絵だから……あ?絵が動くわけないだろ?

肝心のアトラクションはというと、これまた浮遊系であった。そりゃそうだ。【Soaring=空高く舞い上がる】だし。全面スクリーンの部屋に通され、なんかどう動くかもわからない椅子に座る。始まると椅子が上に上がって縦になる!(伝われ)そんで足ブラ状態で世界各国を飛び回る!最後にディズニーシーに帰ってくる!というものだった。程よく風が当たってめっちゃ気持ちよかった。終わった後は、母が「すっごいよかった!」と感動していた。

⑫【ビリーヴ!~シー・オブ・ドリームス~】

最後は何やら人気のショーを観て終了というシメに。というのも、弟がディズニー狂いになったキッカケの1つと言っても過言ではないのがこの“ビリーヴ”というショーらしい。弟が絶対におすすめということなので良い場所を探しに行く。実は俺もディズニー好きの指原さんから「ビリーヴ観てこないと殺す」みたいなことを言われていたので都合がいい。

ショーが始まると水の上に何やら巨大なディスプレイ付きの船が登場。そんで色々な作品の名場面が交代で映し出され、名曲マッシュアップメドレーみたいなのが次々と流れる。もちろんその間、船たちはそれぞれ水上を旋回したり真ん中のテレビ塔のまわりを照らしたり、とにかくド派手に彩る。結構凄かったし、ファンにはたまらない演出が詰め込まれているのを感じた。しかし当日は超強風により一部演出を変えていたらしく、どうやら観たのは完全版ではなかったらしい。おそらく花火がない、とかだけだとは思うのだが。

それにしても初めてショーをしっかりと見たが人の集まり方が凄かった。動き回ってる人ほとんどいなかったと思うわ。あと火山にもプロジェクションマッピングしてたり、水の上で炎が踊ってたり、なんかすごくて終始「ほえ~~」って言ってた。幼女?

⑬【夢の世界から墨田区へ】

長い一日が終わり、もうクッタクタになった俺たちは死んだようなテンションで帰路につく。帰りの車内は、さすがに疲れすぎたのでBGMなしの無音運転で帰った。父のスマホに搭載されている万歩計は今日1日で2万9千歩を記録していたらしい。実はソアリンらへんから本格的に足が動かない。

上着に貼り付けた、お誕生日シールも役目を終えたかのように、車の中では輝きを失っている。

後部座席から、体を動かさず「今日みんな何がベストだった?」と聞いてみた。

弟は最近も行っている為相変わらずアナ雪推しのままだったが、今日初めて乗った“トイストーリーマニア”はめちゃくちゃ楽しかったらしい。いつか33万点とってほしい。

「俺は結局ベストは変わらずタワテラだったよ」と言うと

「私もタワーオブテラ―、あれ素晴らしかった」

「俺もタワテラだわな」

とまさかの両親揃ってベストアトラクションが“タワー・オブ・テラ―”だった。

15年ぶり組の3人が全員タワテラを推すとは流石に思ってなかった。てか普通絶叫系アトラクションって親を置いて子供が積極的に乗りに行っちゃうんじゃないの?なんでどっちも全部一緒にまわれてんだよ。

ついでに2位と3位を聞いてみる。

母は

「次に“ソアリン”かな。あれは感動しちゃったよ。最後に乗ったのもなんか良かったし」

たしかに、特定のディズニー作品じゃないあのアトラクションはシメには良かったと思う。

「3位は最初に乗った“ピーターパン”かも。すごかった」

「あれ?レイジングスピリッツ中間結果1位だったじゃん」

「なんか、もうほとんど忘れちった」

その場その場のノリで生きてんだよな。

「俺も2位は“ピーターパン”だな」と父。

「新エリアのはやっぱり良かったよね」と弟。

「あそこは水がうまいんだよな」

それは俺も思った。

「そんで次が“センター”

やはりインディーよりセンター派らしい。

個人ベストは以下の通り。

タワテラ
②ピーターパン
③センター

タワテラ
②ソアリン
③ピーターパン

タワテラ
②インディー 
③センター

①アナ雪
タワテラ  
③センター

こうしてみると、タワテラの成績が凄すぎる。やっぱあれレべチにおもろいんだよ。みんなも乗った方がいいよ。

それとピーターパン。俺らにとっては新エリアの初見さんであり、入園してから最初に乗ったアトラクションだったが、やっぱ新しいのはすごいんだなって思った。

こうして見てみると気付いたと思うが……俺のランキングだけ、冒頭で述べた15年前と全く変わっていないのだ。別にふざけているわけではなく、真面目に考えてこれである。新エリア・新アトラクション体験を踏まえての結果がこれだという事は、未だ感性が15年前と変わらずそのままだったという事を意味する。

それを悲しむべきなのか、喜ぶべきなのかは分からない。

大人になって、忘れてしまう事もある。センターオブジアースが絶叫系であることを落ちる直前まで忘れてしまうこともある。

少年の心を持ち続ける、という事はみんなができることじゃない。

アトラクションの最後にピーターパンも言っていた。

「いつまでも、子どものままでいてね!」

そう、夢を見る力はみんなの心の中にあるんだ。夢の国で俺たちはこの日、少年の心を取り戻した。ここに来れば大人だろうがいつでも子どものような純粋なワクワク体験ができる。

ピーターパンを最初に乗ったのは正解だったのかもしれない。妖精があの時、俺らの心に魔法をかけてくれたのだ。

これからはいつでもこの心を自分から取り出せるよう大事にしまっていこうと思う。

そう、いつだって──────ティン粉は僕らの心の中にあるのだから。

1998年4月生まれ。墨田区民。今年から月1投稿がんばります(> <)
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