個人的に好きな星新一のショートショート

こんにちは。 daisukeでござんす。

突然ですが最近、懐かしいものを見返すのにハマってます。

この前もケロロ軍曹のOP2『全国無責任時代』を聞いて泣きそうになりました。

皆さんそんな時期ありません?小学校の頃ドはまりしてたコンテンツに時間経ってからまた触れたくなるヤツ。

で、今自分は第何次か目のそういう時期でして。いろいろ懐かしいものを探しては感激しまくってるわけであります。

そんなこんなで今回は、タイトルにもある通り、好きな星新一のショートショート作品を振り返っていこうかと思います。

もし星新一さんを全くご存じない方は各自この記事を読み終わった後で調べてみてください。この記事であまり詳しくは触れません。

簡単に説明すると、大正~平成時代を生きた小説家で、1000編以上の作品を生み出した天才作家です。「ショートショートの神様」なんて呼ばれたりします。
昔の作品でありながら現代にも通用するほどパンチのきいたユーモアな内容が特徴で、子供から大人まで幅広い層から人気です。

小学校の頃読み漁っていたのですが10年経ってから読み返してみるとまた受ける印象が違いますね。自分の母親も昔いくつか読んでいたらしく、好きな作品を語り合ったりします。

(母) 宇宙人が侵略してきて、テレビ局乗っ取る話あったよね。 あの、結局催眠術師が~…ってやつ。

(俺) あったあった。小学生の時初めて読んだ話だ。

タイトル覚えてないのにオチだけ覚えてる親子(星新一あるある)

この記事を書くにあたって作品をいろいろ読み返してみたのですが…
マ~ジで面白い話が多すぎて紹介する作品を一桁には絞れなかったのホント申し訳ないです

とりあえずで(読んだことある話の中から)厳選した作品を書いていきますね。


※過度なネタバレが嫌な方は見ないことをお勧めします。



空の死神

(『おのぞみの結末』収録)

ある外国行きの旅客機のお話です。乗客はあまり多くなく、客席内はとても静かでした。

「これより、雲のなかを通過いたします。気流の乱れが予想されますので、どなたさまも座席のベルトをおしめ下さい」

揺れはあまりひどくありませんでしたが運悪く機体に雷が落ちてしまいます。乗客を落ち着かせるためスチュワーデスは客席へと向かいますが、なぜか皆落ち着いており……

なかなか結末が好きなタイプの話です。星新一作品がたまに持ってる後味の悪さが本当に好き。

主人公のスチュワーデスさんが乗客一人一人を安心させるために声かけていくのですが、なにやら「ワケあり」な乗客ばかりなんですよね。絶望の状況から希望が見えたり、希望の見えた状況から絶望の方へ自らハンドル切ったり、16ページと短い作品ですが後半の展開がとてもテンポ良いです。まぁでも読後には何とも言えない気持ちになると思いますよ。。。

ゆきとどいた生活

(『ボッコちゃん』収録)

未来の世界のお話です。
朝、部屋の中に取り付けてある装置が、自動音声で住人のテール氏に目覚めるよう声を掛けます。なかなか起きないテール氏を今度は「手」のような装置が毛布をどけ、強制的に浴室の方へ運びこみました。
この装置はどこの家庭にもあり、食事、洗濯、掃除など家事をこなしてくれます。テール氏は出勤前の準備をすべて「手」に済ませてもらい出社します。

オチが最高。たった6ページなのに完成度がとても高いです。

未来では機械化によって生活の質が上がると予想されていますが、星新一の話ではすべてがうまくいくようには書かれていないのが面白いところ。やはりどこかしら欠点はあるようです。

生活維持省

(『ボッコちゃん』収録)

国民一人あたりに十分な広さの土地が与えられ、すべての悪がなくなった平和な世界のお話。
主人公の「私」は同僚とのどかな街を運転しながら「今では考えられないことだが、昔は自殺をする奴もいたそうだ」「将来あんな家に住みたい」など、のんびり会話しています。

「平和だなぁ」「平和だ…。」

あらすじだけを見ると、とても平和で犯罪もなく皆がのんびり平穏に暮らすことができるこの世の中はとても素晴らしく思えるかもしれません。そう思った方は是非この話を読んでみてください。
僕は今の生活の方が良いです…。


「ああ、死神……」

善意の集積

(『盗賊会社』収録)

生まれた時からずっと目が見えない女の子がいました。彼女は素直な良い性格だったので周りの人たちがとても親切にしてくれたのでそれほど不幸でもありませんでした。法律を無視して生活する若者も、男をだまして金を巻き上げる女も、彼女にだけは親切にしてくれました。
少女は人々の善意の、やさしさの焦点にありました。
ある日、少女は遠くに人々の悲鳴を聞きました。どうやらほかの星から宇宙人がやってきたらしく…。

「善意」。良いですよね。プレゼントをあげる側と受け取る側、実はあげる側の方が脳内のセロトニンという「幸福度」を高める物質が多く分泌されるそうです。どこかで聞いた話なので本当かどうかは分かりませんが。

人に良いことをしてあげる、親切にしてあげると自分もそれを見ている人も幸福になります。

それらの積み重ねが起こす結末とは一体。

マイ国家

(『マイ国家』収録)

「よし、もう一軒、ここへ寄ってみるとするか……」
彼は銀行の外勤係。いろいろな家庭を訪ね、「当銀行にも預金を」と勧誘して回るのが仕事でした。
「ごめん下さい。どなたかおいでですか」と青年は「真井(まい)」という表札のかかった家に声を掛けますが反応はありません。
諦めて帰ろうかと思った時、家の中から人のうめき声とガラスのふれあう音が聞こえてきました。
傷害事件でもあったら大変だと思い、青年はその家に上がり込むことにしました。

この話は結構ゾクッとしますよ。
なんというか、変な怖さがあります。目の前に「明らかに異常な人」がいて全然会話にならないと思っていたらその人からすれば自分が異常であり、、、「異常」ってなんなんだ?
自分が正常なのかどうかわからなくなってきます。

手紙

(『おみそれ社会』収録)

彼は政府のきわめて重要な位にある政治家でした。彼は一人、部屋の中で考え込みながら時々無意識のように手をポケットに入れ、再び出すという行為を繰り返していました。
彼はポケットの中に「手紙」が現れるのをを待っていました。それは手紙と称していいのかもわからない、ある紙片のこと。その「手紙」には指令のようなもの物が書かれてあり、彼のいままでの人生において重要な決断をしてくれているのでした。

中盤あたりはずっと、主人公の男は今まで「手紙」からの指令に従って生きてきた、というような回想が続くのですが、これは「オチはどうなるんだろう」って思いながらページをめくっていました。
ですがさすが星新一。最高におもしろかったです。コレに繋げるのか…!

暑さ

(『ボッコちゃん』収録)

夏の日の午後。その日はとても蒸し暑く、風のない日でした。交番の中で書類に目を通していた巡査も、この暑さの前では頭を整理して書類を読むこともできませんでした。
どこからともなく、おとなしそうな若い男が現れ交番の前に立ち声を掛けました。

「あのう、わたしをつかまえていただくわけには、いかないものでしょうか」

結構有名な話かもしれませんね。「意味が分かると怖い話」でこういう話を見たことがあります。
これもそんなに長くないし比較的わかりやすいオチかなと思います。
結構後味長引く感じのお話です。怖い。

最後の事業

(『ようこそ地球さん』収録)

時のかなた、遥かなる未来にばら色の世界を見出した事業家たちは共同で「人間をコールドスリープさせ未来へ送り込む」というビジネスを立ち上げました。その名も「オーロラ冬眠会社」。
「こんなばかげた時代で人生を消費したくない。全財産をなげうって未来に行くかな」
「あたしもいっしょに」
こんな風に流行現象のように、だれもかれもが未来へ向かっての大移民を開始しました。

オチが最高。外国人の友達にこの話を簡単に紹介したことがあるのですが、結構笑ってました。
ここでこんな展開ある?ってなるし、しっかりオチをつけてお話を終わらせるのホントすごいと思います。
この話初めて読んだときは確か電車で移動中だったなぁ…。サクッと読めて大満足できるから今でも通勤中、退勤中はショートショート持ち歩いてます。

午後の恐竜

(『午後の恐竜』収録)

「わあ、怪獣だ。怪獣だ。」
幼い子供たちの騒ぎ声で男は目を覚ましました。怪獣ごっこでもやっているのかと思ったが、どうやらそうでもないらしい。男は起き上がりあたりを見回してみると、見たこともない奇妙な植物がいたるところから生えており、その周りには体長二メール程のワニのような生物がのそのそと歩いていました。
「これはどういうことなのだ……」
怪獣は坊やに向かって大きな口を開きました。ノコギリよりも尖った、ギザギザの歯の列が白く光り……

間違いなくトップレベルの作品。これから紹介する話は自分の好きな作品上位3つになりますが、これはそのうちの1つです。
この話は主人公の家族の視点ともう一つ別の視点から物語が進んでいきます。
なぜいきなり現代に恐竜が出現したのか。二つの視点から真実がだんだんと明らかになっていくのがホントにページをめくる手が止まらない。
そんで「午後の恐竜」ってタイトルセンスは半端ない

殉教

(『ようこそ地球さん』収録)

「皆さん、よくおいで下さいました。こんなに大勢の方においでいただけるとは。画期的な新発明の、公開実験。」
技術者タイプの四十がらみの男は機械のようなものを抱えてきて机の上に置きました。
「これは私の技術の苦心の結晶。このマイクで話しかければ霊界にいる死者との通信ができる。」
客のあちこちから笑い声が起きましたが男は演説を続けます。
「早速実験に取り掛かりましょう」
そう言って彼は五年前に亡くなった妻の声を呼び出しました。

これ読んでるときホントに面白かった。みんな絶対一気読みしちゃうと思う。これも文句なしでTOP3です。
話の展開のスピードがすごくて「え~これどうなっちゃうのォ~っ」ってなるお話。
死後の世界かぁ…実際はどうなんだろうなぁ。これからの未来、本当に霊界と通信出来る機械が発明されるかもしれませんね。間違いなく最初はこの男のように笑われるでしょうけど。

処刑

(『ようこそ地球さん』収録)

地球では文明が進み、犯罪が増えていました。殺人、強盗、器物破壊、暴行。裁判は電子頭脳で超高速で行われ、逮捕の次の日には刑が確定します。悲惨な被害者の印象が薄れないうちに確定する刑は重いものでした。「あんな刑では被害者がかわいそうだ」という大衆の意見は刑をますます重くしていきました。
最後に考え出された処刑法は、「赤い惑星」の利用でした。その星は暑く、水はありませんでした。受刑者たちはその星へ「銀色の玉」とともに降ろされます。その惑星で水を得るためには「銀色の玉」についているボタンを押す必要がありますが、そのボタンを押すと一定の確率で大爆発が起きてしまうのでした。「生きるためにはボタンを押すしかないが押すと死ぬかもしれない」という状況が続く。これがこの時代の処刑でした。

一番好きかもしれないです、このお話。星新一を読む人たちからも特に人気な話な気がします。
まず設定がすごいですよね。よくこんな処刑法思いつきますよね。やはり「宇宙人が~」とか「未来のロボットが~」みたいな話を無数に生み出してきてたから思いつくことが異次元に面白いですよね。しかもこの人、半世紀以上前の人なんですよ…すごい。
内容はあらすじの通り、多くの受刑者のいる赤い惑星を主人公の男が彷徨う様子が書かれてます。他のショートショートと比べて少し長いのでとても読みごたえがあります。

☆おわりに

さて、ここまでいくつか紹介してきましたがどうでしたか?
もし星新一読んだことない方がいて、この記事見て気になった作品があればぜひ読んでみてくださいね!

「星新一作品多すぎてどれから読めばいいかわからないよ~」って子はとりあえず「ボッコちゃん」を読めばいいと思いますよ。
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まあでも本屋さんでズラッと並んでる星新一作品でテキトーに表紙見て好みのがあったらそのまま表紙買いしてみるのもいいかもしれませんね。どれも読みやすいし面白いので是非ちょっとした移動や睡眠前の読書に!

daisuke

1998年4月生まれ。高校卒業後ウィチタへ短期語学留学。Santa Barbara City College在学中。趣味を増やすことが趣味の22歳。
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